小瓶で果実酒を漬けるはなし

家でつくる果実酒はおいしいけれど、欠点がひとつだけある。
すぐ飲めないこと。
果物を洗ってウキウキしながら瓶に詰めて、待って、待って、たまに振って…を繰り返していると、いつのまにか“酒が飲みたかった”という本来の衝動を忘れていたりする。
酒好きは考えた。待つ工程を短縮できないだろうか。
日曜日の夕方に新しい週への祈りを込めて漬けて、月曜の夜に「週末、ウチで飲まない?」ってLINEできるくらいのフットワークの軽さがほしい。 そこでだ。

小瓶で果実酒を漬けるはなし

通常の果実酒は氷砂糖の浸透圧を利用して果物のエキスを抽出している。更に熟成に時間がかかるため、一ヶ月から数年の歳月を要する。体感時間は永遠である。

いるもの

◯小瓶…200〜500mlくらいの瓶、密閉できるもの
◯酒…25%以å上の度数のものならなんでもよい
◯氷砂糖…適量
◯果物やハーブなど…スーパーで見切り品になっている熟しすぎのオレンジとか。梅やカリンは長期熟成が必要なためNG。バナナなど水分の少ないものも向いていない。

つくり方

1.まず、瓶を消毒する。煮沸消毒のやり方については、こちらの記事が非常にわかりやすいので参考にしていただきたい。
【保存容器の煮沸消毒と脱気のやり方】 
我が家では無水エタノールを使用している。イソプロパノール無添加のエタノールは食器等に使用できるため、これを少量入れて蓋を閉めて降るのがよい。あとはキッチンペーパーで拭くだけ。
ドラッグストア等で入手可能だが、添加されていないものをよく見て選ぼう。エタノールを使用するのが怖い人は、漬ける酒で代用してもいい。

2.果物を瓶に入る大きさに切り、氷砂糖と交互に詰めていく。この際水分をよく拭き取ろう。
一般的な果実酒の場合、果物と氷砂糖の割合は2:1から1:1が一般的だけれど、小瓶で漬ける場合はあまり気にしなくてよい。
苺などの糖度が高いフルーツは単体で漬けても甘くなるので、使う果物によって氷砂糖の量を調整しよう。

3.最後に、好きな酒を満たしておわり。蓋をしっかり閉め、直射日光があたらないお気に入りの場所に飾ろう。

実験例

○メロン×ミント×ウォッカ
自家栽培のハーブを使う場合、葉の裏をテープでぺたぺたやって各種不純物を取り除こう。長く漬けすぎると色が悪くなるから約半日したら取り出す。
ウォッカは香りに癖がないから、果物そのものの香りを楽しみたい場合に適している。

○オレンジ×バジル×テキーラ
たまに行く美味しいレストランではカプレーゼにオレンジが入っていて、それがすごくおいしい。香水で有名なゲランのアクアアレゴリアも、マンダリンバジリックが一番人気だというし。

オレンジはりんごの要領で白いところまで剥こう。刺激的な夏の味わいだ。

○王林×シナモン×クローブ×ブランデー
焼きりんごを想像して作ったものの、クローブを入れすぎて漢方薬みたいな香りになってしまった。

○スイカ×ミント×ジン
バンコクのバーで飲んだジンとスイカジュースのカクテルにはミントが添えてあって、美味しかったので組み合わせを真似してみた。

丸くくりぬけるスプーンがあるといい感じ。
酒に漬けた後の果肉はあまり美味しくないから、酒ごとよく冷やして氷と一緒にミキサーにかけるといい。大人のウォーターメロン・スムージーになる。

○赤肉メロン×電氣ブラン
電氣ブランという謎の酒があり、それはブランデーですらないらしい。
ストレートで飲んでみると果実酒のような芳醇な甘さがあるが、どちらかというとスーズなどの香草系リキュールに近い。
メロンやスイカは長く漬けていると風味がキュウリめいてくるから、1日ほど漬けて香りを移したら飲み始めてしまって構わない。

好きな酒と好きな果実で

冷蔵庫で傷みかけている果物、週末訪ねてくる友人が好きな酒、なんでも自由にかけあわせてしまえばいい。手順を正しく踏めばどうせ美味しくなるし、漬けた果実酒をさらにジュースで割ってみるなど、大人の自由研究のつもりでどんどん試して酔っ払おう。

(お酒は二十歳になってから)

なんでもつくる晴れ女 @_June_ray